カゼやインフルエンザが流行する季節になりました。
盛岡医療生協川久保病院小児科の小野寺けい子先生に、熱が出た時の対処法などをお聞きしました。
病院へ行く目安は?
子どもは環境の変化などでも熱が上下したり不安定なことが多いので、38度だからと慌てることはありません。
38度以上の熱があっても機嫌がよく、おしっこもふだん通り出ていれば、急いで病院に行く必要はありません。
ふつうのカゼなら3日ほどで熱は下がります。
熱が高くても飲んだり食べたりできて機嫌が良いなら、急がなくても大丈夫です。
大切なのは、全身状態をきちんと観察すること。
「咳で夜眠れない」 「下痢が頻回でおしっこの出が悪い」 「嘔吐を繰り返し水分がとれない」 「ぐったりして動きが悪い」という場合は受診してください。
共働き世帯が増え、子どもが病気の時、子どもを看るのに昨日はパパが休み、今日はママが休み、明日は祖父母というケースも少なくないようです。
交代で看る時には、症状の経過を記録し、お互い伝えるようにしましょう。
経過をきちんと観察し、診察の時に伝えてもらえると、医療者側も病気の診断に役立ちます。
水分補給が一番の解熱剤
発熱の時、対処法として一番大事なのは水分補給です。
子どもは体重の7割以上が水分なので、水分がとれずに脱水になるとぐったりして元気がなくなります。
高熱になるとすぐ解熱剤を使いたくなるかもしれません。
しかし、一般的にカゼやインフルエンザの病原体であるウイルスは熱に弱いので、熱が出るということは体の防御反応でもあります。
解熱剤で熱が下がっても病気が治ったわけではありません。
体温計で少数点以下まで見えると敏感になりがちですが、熱の上下に一喜一憂せず、全身状態を観ながら必要に応じて受診しましょう。
親の勘も大切に
最近はインターネットで症状を調べるママ・パパも多いようです。
検索するといろんな病気が表示され、「わが子は重症な病気なのでは?」と不安にかられる場合もあります。
ふだんから子どもの様子をしっかりと観察し、「いつもと違う?」という親の〝勘〞も大切にしてくださいね。
※HELLOコープ166号(2019年11月発行)掲載内容